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24A+594A 周波数特性

24Aホーン+19アタッチ+594A周波数特性実測データ

  ENGLISH  
  594A Driver +24A Horn  

音響分野の技術研究が最高水準にあった時代、ベル研究所が惜しみなく研究開発費と人材を投入して完成させた、歴史上の頂点に立つドライバー・ユニットWE594A型を、594A専用に開発されたオリジナルの24Aホーンに装着して特性を実測した。測定は、20Hzから20KHzまでのサインウェーブを連続スィープさせ、これをマイクで採音し、FFT処理し、ピーク・レベルをプロットした。ジェネーレータと増幅装置系の周波数特性は、ほぼフラットで、スピーカーの実特性にはほとんど影響しない。しかし測定用のコンデンサ・マイクロホンが故障しているので、安価なダイナミック型のマイクロホンで採音した。そのため周波数特性データとしては、このマイクロホンの”性能の悪い点の”特性ぶんをかさ上げして考えなければならないが、その劣化ぶんを考慮しても素晴らしい特性である。尚、測定位置はホーン開口部正面から2メートルで、信号系には30uFのフィルム・コンデンサがドライバー保護用に挿入されている。このデータは、あくまでこの装置の素性を把握するための情報としてみていただきたい。測定装置が完全ならば、これを上回る特性が計測されるはずである。

 
 
測定に使用した594Aは、WE中期のオリジナル振動版である。日本では26型や31型のホーンがよく使用されているが、26型のマルチセルラの場合は、指向性が非常に優れるが、高音域の周波数特性が24A型に比べて落ちるといわれている。無線と實験誌に26型の実測データが掲載されたことあるが24型のデータがないので、計測してみた。左端のレベル表示は、音圧の表示ではなく、取り込んだラインのレベルをソフトウェアで処理した表示になっているので、相対的に見ていただきたい。
 
  この装置は、拙宅での標準システムではあるが、このドライバーは追い込めば追い込むほどにその能力を発揮していくという、レーシング・マシン的な色彩を放つ。このドライバーを理想状態で鳴らし、これに低音をマッチングできれば、ウエスタンの一つの峰の頂上に到達できるのではないかと思う。しかしまだ、555という謎の峰も霧の中に見え隠れする。どちららの峰が高いかなどの議論は不要であるが、過渡特性を含めたデータで比較してみたいと思う。  
 
物理学を動員してはいるが、この世界というものは、芸術と科学と人間の感性のバランスの上に成り立っていることを忘れたくない。そこから、先人の成し遂げたもの、追い求めたものを感動と尊敬の中に学びとることができる。我々はその偉大さの前に謙虚になり、そこが次の時代の出発点になる。594Aに接したときには、そのストイックさの中に啓示を見る思いだ。くたびれたときには、一休みしてWE555の世界に安堵を見出そう。
 
     
 
3/24/2004 (7/26/2004 一部改訂)