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HOBBY HP (A
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モノローグ

 

もうバイクに乗って40年以上にもなる。最初は、ヤマハのR1という350cc 2サイクルのスポーツ車から始まった。この車種を知っている人は少ないかもしれないが、何を隠そう白く塗装されたそれは、かの三億円事件の白バイで使用された車種である。

その後、2サイクルのオフロード車を乗り継いで、主に関東の山岳林道を走破する。東北、中部、東海にも足を伸ばしたがほとんどは日帰りのため、時にはダートを含めた走行距離が1日で500キロ以上に及ぶこともあった。この時代、30代までは不死身の体力を誇っていた。

 
  2サイクルエンジンは官能的である。スロットルを握ると、エンジンを開けるように煽ってくる。開ければ開ける程にさらに煽られる。結局は最大出力までこの誘惑が止まることはない。私はこんな2サイクルが限りなく好きだ。
2サイクルのトレールでは、ずいぶん空を跳んだ。サンドのコースで大砂丘上からの大ジャンプは、エクスタシーの極致である。数秒の空中遊戯はたまらない。  
  ナンバーのとれる市販車のことをノーマルという。資金力の乏しい私は、これを改造して草レースに挑む。相手はモトクロッサーである。まるで勝てない。エンジンはともかく、足回りと車重で歯が立たない。ノーマル2サイクルは、3回のレースで公道含め走行5,000キロで、疲弊しクズ鉄となる。ノーマルは耐久性がない。
30代の終わりから4サイクルのレーサーに乗り換える。重い4サイクルでは空は跳べない。エンデューロの乗り方に転向したが、650ccのビッグ・シングルのオフロードレーサーは、これはこれでテイスティーである。買い物バイクとしても重宝する。  
 

KLX650Rは、前が倒立サスベンションで、これは実に良かった。ツインカムのエンジンは、50.5 HPを出しスムーズ。XR650RのSOHCエンジンの61HPは、トルクフルで良い。前サスを倒立にして、車重をあと15キロ程軽くしてもらえればと思う。

レーサーでも逆輸入したものは、陸運でナンバーがとれる。改造して車検を通せばストリート・レーサーである。この速度感のない速さは爽快である。性能を維持するために走行時間より整備時間のほうが長い。実用性はまるでない。この割り切ったところが潔い。趣味とはかくあるべきだ。

 

 

 
   
2004/9/4
   
   
HPTOP
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