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HOBBY HP (A)
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WE 555 ダイヤフラムリード断線修理

Western Electric 555引き出し線の断線修復

 
注意:本HPを真似て改造や修復は絶対に行わないようにお願いします.壊してしまいますので,専門家に任せてください.
 
  WE555振動板引き出し線の金属疲労  

私の使用しているWE555の一本が、時々音が途切れるようになりやがてまったく音が出なくなってしまった。デジタル・マルチメーターで測定すると、ボイスコイルはオープン状態であった。大パワーを加えたわけでもないので、ボイスコイルが断線したとは考えられない。さっそく分解して目視で検査したが、下の写真のようにどこも断線しているような気配はない。

 
 
  さらに注意深く検査すると、片側の平型引き出し線が、ボイスコイルボビンの中で断線していた。長期に渡って振動が続くことにより、金属疲労によって断線したものと思われる。これでは、ちょっと外見から見たところでは判断がつかないところだ。  
 
 
 

さっそく、素材を調べてみたところ、りんせい銅の厚さ0.095ミリ、幅が1.90ミリのスペックであることが解ったので、下の写真のように、同一寸法、形状のものを無酸素銅板から切り出して作成した。

 
 
 
 

破断した引き出し線をとりはずし、新規作成の引き出し線を注意深く、ボイスコイルのボビンに入れてやる。上のほうのエッジから、アルミのエッジワイズ線が、引き出し口のところに斜めに降りてきているのが解る。この場所で、引き出し線が、アルミのエッジワイズ線とカシメて接合させている。

 
 
  新しい引き出し線で接続が完了したところ。二時間ほどで完全に復元したが、一般の人が真似て作業すると必ずといっていいほど失敗するので、お勧めしない。本当に信頼できる腕のよい業者にたのんだほうがよい。簡単に見えるこれらの工程も分解してから、調査、修復法の研究、修復のための冶具の製作と作業準備に二ヶ月をかけている。周到に準備して集中して作業すれば、修理は短時間で終わる。たとえボイスコイルが断線しても修理は可能なので、こわした人はあきらめて捨てたりしてはいけない。これは文化遺産なのだ。  
 
 
 
11/30/2018