. 情熱のオーディオ TOP (A)  
/homepage/audio
HOBBY HP (A)
.

タンガーバルブ 励磁電源の実験

フィールド電源の実験 フィリップス 1163のエージングと測定

  電圧は高くありませんが大電流が流れますので,やけど,火災,感電の危険がありますので絶対に真似をなさらないでください  
 

スイスから届いた整流管 PHILIPS 1163

 

スイス在住のオーディオファイルが是非やってみなさいということで,新品のタンガーバルブを送ってきました.規格は,フィラメント電圧が2.25V,電流が17A というものだ.整流電流は定格6A取れる.昔1950年代にバッテリーの充電に開発されたものです.まるで集魚灯か,電気コタツの赤外線ランプのような形状です.ソケットは電球のようにしてネジ込みますが,一般の電球ソケットよりもはるかに太く,互換のソケットを秋葉原で調達しました.スイスではなかなか見つからないとのこと.この点,秋葉原は便利ですね.

 
 
  エージングと測定ベンチ  
  フィラメントに流れる電流が規格表から17Aとのことなので、トランスや配線材の温度上昇がどの程度になるかをエージングも兼ねて実施しました.下の写真が特性を測定するためにセットアップしたテストベンチです.手元にあるトランスを分解して,内部から巻き線タップを引き出し,フィラメントを点火しました.常温だと抵抗値がほとんどゼロなので,スイチング・レギュレータなどでは,保護回路が動作して起動はまず無理なので,交流点火です.電圧は低いのですが,2本で40Aの電流容量が必要なので,2mm 径のFケーブルで配線しました.  
 
 
  トリタン フィラメント点火  
  フィラメントは,トリウム・タングステン(トリエーテッド・タングステン)です.真空管の場合は,回りがプレートで覆われているので,上下のプレートの隙間からフィラメントの光が漏れてくる構造ですが,タンガーバルブの場合は,この覆いがなくプレート(アノード)がフィラメントの上方向にあります.この隙間を6Aも熱電子が飛び交うわけです.写真は約1Vの電圧で点火した状態です.この電圧ではそれほど明るくないのでフィラメントと上のアノードが見えます.内部はアルゴンガスが充填されています.タングステン+アルゴンがタンガーの由来です.  
 
 
  タンガーバルブ 定格運転 18Ax2  

段階的にエージングを進め,データを取って最終的に定格動作で運転しているところです.下のクランプ・メーターで読むと2.25Vのヒーター電圧で,1本あたりで18A流れていることがわかります.ふつうの配線材では,電圧降下が発生するばかりではなく,発熱して被覆が溶けたり最悪の場合は火災が発生しますので,絶対に真似はしないでください.

 
3/25/2007