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寺垣プレーヤー

これは恐らくは、究極のターンテーブル

 

究極とは、このターンテーブルにふさわしい言葉

 
 

東京理科大学で講習をしたときにお世話になった先生と教え子らとともに、下丸子の寺垣研究所を訪問した。私はすぐに感動する性分だが、ちょっとやそっとのことでは驚かないほうだと思っていたが、このターンテーブルには驚愕した。すべて理詰めで設計されており、その実現に卓抜したアイデアが盛り込まれている。工作精度も尋常のレベルではない。究極という言葉をめったに使わない私ではあるが、このターンテーブルには、まさにその名がふさわしいと思う。一聴すればわかる。このターンテーブルでかけると普通のレコードから、まるでメタルマスターを聴いているかのような絢爛たる膨大な情報量が再現される。大星夜アンプどころの騒ぎではない。超新星爆発である。今回の試聴では、通常方式の寺垣アームと普通のカートリッジだったが、寺垣プレーヤーの真髄は、このターンテーブルにリニアトラッキング方式の寺垣アームを加えたものであり、こちらのほうは残念ながら拝聴できなかった。生きていて良かった。そして命あるうちに一度でよいからオリジナルのアームを使用した寺垣プレーヤーを拝聴したいものである。もしこのページをごらんの方で、お持ちの方がいらっしゃればと願う次第である。架ける盤は、カール・リヒターの最初の録音のマタイ受難曲(アルヒーフ盤)と決めている。カートリッジは、京都のT氏所蔵のルミエール・ワンを借用しよう。トランスはBV-33かモノに繋ぎ換えてHS-1かHS-8あたりか。あとは大沢氏製作のモノーラル・カートリッジ二種が比肩しうる究極足り得るだろうか。大沢さん早く作ってください。

 

     
 
5/19/2006