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テレフンケンのスピーカー 1

Telefunken RS-1

 

ドイツのスピーカー

 
 

知る人ぞ知る.知らない人は近づかないほうがよいドイツ・スピーカー テレフンケンの巻

 

このサイトもそれなりに知られるようになって,国内,海外を問わずずいぶんとメイルなどを戴くようになりました.たしかにウエスタンは伝説とその名声ゆえに多くの人の知るところですが,浮気者の私は世界中にはいろいろな”いい音”があるに相違ないと思い結構あちらこちらを試しています.1970年代にドイツ・テレフンケンの楕円型のテレビ組み込み用じゃないかと思われるような見てくれの悪いスピーカーユニットからとんでもない音が飛び出して仰天したことがあります.それ以来,ドイツ恐るべしと密かに思い続けています.実際フルレンジの座には,ジーメンスのコアキシャルが十年以上メインスピーカーとして鎮座したこともあります.しかし何と申しましょうか,私の所有するテレフンケン様は律儀で緻密な中にどうも一抹の暗さを伴うきらいがあります.乾いたノーテンキさを漂わせるものが多いアメリカ西海岸系の楽天性をきらってドイツの音を好む方には,このテレフンケンとかジーメンスの音というのはたまらない魅力であろうかと思います.写真のテレフンケンRS-1は,知ってる方の間ではかなりポピュラーなものですが,箱を実に巧妙に鳴らして楽器として音楽を楽しむように作られています.

 
  天井板を外す  

下にあるネジを外すと天井板がが外れるようになっています.

中の構造は,下の写真のようになっています.スピーカーユニットは元々入っているものを外して,別の気に入ったものを装着しています.ドイツにはいろいろなメーカーからさまざまな楕円形のユニットが発売されています.これらのユニットをここに取り付けて楽しむわけです.強めのアルニコ・マグネットに軽量なコーン紙というところは,往年の名スピーカーダイヤトーンのP-610に似ており,細かい音を拾う点では似ていますが,ドイツのこの系統のスピーカーは,コルゲーションを入れずに,コーン紙の内部損失を少なめにして,かつ強く漉き,内周のボイスコイルボビンに近いところは薬剤を含浸させて硬化?させる処置をしています.こうすると固有の音色がつき周波数特性を広くとりづらくなると思いますが,それよりも過渡特性と音の速さを優先させるという流儀と私は考えています.個別のユニットについて回る”一種の音の暗さ”的なものは,この箱を楽器として鳴らしてうまく音のバランスをとるように仕組めば,これはすばらしい匠の技です.

 
11/14/2006