中の構造は,下の写真のようになっています.スピーカーユニットは元々入っているものを外して,別の気に入ったものを装着しています.ドイツにはいろいろなメーカーからさまざまな楕円形のユニットが発売されています.これらのユニットをここに取り付けて楽しむわけです.強めのアルニコ・マグネットに軽量なコーン紙というところは,往年の名スピーカーダイヤトーンのP-610に似ており,細かい音を拾う点では似ていますが,ドイツのこの系統のスピーカーは,コルゲーションを入れずに,コーン紙の内部損失を少なめにして,かつ強く漉き,内周のボイスコイルボビンに近いところは薬剤を含浸させて硬化?させる処置をしています.こうすると固有の音色がつき周波数特性を広くとりづらくなると思いますが,それよりも過渡特性と音の速さを優先させるという流儀と私は考えています.個別のユニットについて回る”一種の音の暗さ”的なものは,この箱を楽器として鳴らしてうまく音のバランスをとるように仕組めば,これはすばらしい匠の技です.