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大沢式スピーカーユニットの試作

大沢氏にご指導戴き、スピーカーユニットの製作に挑戦した話

  スピーカー・ユニットの分解と三点ワイヤー・ダンパの取り付け  
 

今回は、コーン紙の製作は行わず、オリジナルのコーン紙をそのまま使用する。ダンパー部分は波形ダンパーを切り取ってしまい、三点支持の糸ダンパーとした。コーン紙をオリジナルのままとしたのは、元のユニットと比較試聴するためである。つまりダンパーとエッジの変更でどのように変化するのかを調べるのである。ユニットは手持ちのジャンク級の12センチのスピーカーである。写真のようにタップを立てて、2ミリのネジで糸を張るポストを作り、糸をかけ接着剤で固定する。

 
 
 
  エッジの製作  
  オリジナルのエッジは、ウレタンのロールエッジであるが、今回はこれを切り取ってしまい新たに作りなおした。材料は3ミリの特殊な合成セーム皮状の発泡スポンジで、空気は通さない。約3ミリ厚でとてもやわらかく引っ張ると良く伸びる。自動車の洗車後の水取り用のものを使用した。  

センター出し用スペーサーのセット

 
 
エッジを貼り、ボイスコイルのセンターを出すために、やや厚手の紙を細長く裁断しギャップの部分に入れる。この状態で、ボイス・コイルを差し込む。あとはコーン紙の周辺をエッジに接着してやる。
 
 
 
  コーン紙の貼りあがり  
  コーン紙を貼り終えたところ。コーン紙にシワが見えるのは、ジャンクとして入手したためだ。もう一本は完全な状態である。次回はコーン紙とボイスコイルの製作を行いたい。このあとコーンの裏側と三点支持の糸ダンパーの接点を接着して固定すれば完成である。  
 
 
  コーン紙と糸ダンパーの接触部  
  ユニットを横方向から見たところ。コーン紙と糸ダンパーの接点の部分を接着する。あとは、ボイス・コイルの引き出し線を端子にはんだ付けすれば終了。ボイスコイルのボビンに茶色い、ダンパーの切り跡が見えている。音質についてであるが、まだ測定はしていないが、聴感上は繊細で細かい音が再生され、音が軽く速くなっている。最低共振周波数も下がっているようで、低音も軽く出るようになった。小出力時はきわめて好ましい音の傾向と思われる。ダンパーのスティフネスが極めて低くなっているのでコーン紙の制動は弱い。大出力でジャズとかロックをかけたら苦しくなるかも知れない。今回は試作を目的としているため、音質面での評価はこの程度にしておこう。実際に製作してみないと分からないユニット製作の勘どころが随所にあることが分かったのは、貴重な体験であった。やはり作ってみないとわからない。このスピーカーの作り方は、今年2005年ラジオ技術誌に何回が掲載されているので、詳細をそちらのほうを参照戴きたい。  
 
 
 
8/31/2005