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セレン整流器の製作

励磁電源用の大型高圧大電流のセレン整流器を製作する

  100Aの大電流セレン整流器の分解  
  私の設計仕様に合致する、(ウエスタンのコンプレッション・ドライバー用の)フィールド電源用のセレン整流器がなかなかにないので、仕方なく手持ちのストック部品で製作することにした。下の写真は、元になる30V100A整流器で、23枚の整流ユニットが並列に接続されたものだ。これを分解し、整備して150V4Aのブリッジ整流器をつくろうという訳だ。横幅が10センチ以上、長さは優に40センチに及ぶものだ。米国 IT&T社製のユニットだ。未使用だが古いものなので、一旦すべてをバラバラにしてしまう。古いものは未使用であっても経年変化で、性能が出ないので、オーバーホールが必要だ。  
 
 
  整流ユニットの分解  
  下が整流ユニット一個分の部品である。左上が整流板で、一枚一枚特性を測ってラベルを貼っておく。右上のバネ板は、両側のボルトで締め上げることにより、8枚の羽根接点が整流板に押し付けられて、電流を取り出す構造になっている。大電流を取り出すために接触部の面積を大きくとり、かつ信頼性を上げる構造になっている。しかしながら、経年変化で、接触面部分は酸化膜ができており電流容量の減少と発熱の懸念があるので、徹底的にすべての接触面の研磨を行うことにした。  

研磨前と研磨後のバネ板

 
 
左側が、研磨前のバネ板の接触面である。塗装の浸入も見える。右側が研磨後のもの。これで大電流を整流板から安定して取り出すことができる。
 
 
 
  下の写真が、5枚を直列にしてブリッジ構成に変更したセレン整流器。両側からネジで締めこむことによりバネ板の羽が整流板に圧力を持って広い面積で接触し、大電流を流せるようになっている。高圧、大容量の整流器は重宝する。100V以上の元電圧から電圧を落として24Vを作るとかなりの効果が期待できる。この整流器を使ってセレン版の最終フィールド電源を製作する。是非タンガー・バルブ式励磁電源と比較してみたい。  
 
 
 
8/31/2005