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ショットキバリア ダイオードの評価

セレン整流器との比較

セレン整流器対ショットキバリヤ ダイオード

この実験の前に、FET二段差動のイコライザー・アンプの整流ダイオードをこのショットキ・バリア・ダイオード交換したところ、通常のダイオードに比べて、若干ながら効果があったので、セレン整流器との比較を試みた。SBDと整流管との比較では、他の方の実験でもおおむね整流管がまだ優れるという話は聞き及んではいるが、セレン整流器との比較というのはなかなかにないので、実験を試みた。下の写真は、今回評価試験に用いたB6A20というSBDである。逆耐電圧が200V、電流は6Aの規格である。

セレン整流器との交換

セレン整流器の端子のネジを外しSBDと取り替える。電力が少ないので特に放熱器に取り付けていない。この電源は、WE555のフィールド電源用のものであり、最大45V、1.5Aの容量があり、2台のWE555を直列に接続使用している。回路は、WE555励磁電源の項目を参照されたい。45Vの電圧は、大きなインダクタで電圧を落としてWE555に供給している。

困難な評価作業
結果から申し上げると、確かに音が違うことが分かる。そして私の好みはセレン整流器のほうだ。しかしながら、この評価は科学的でないし、理論的な根拠もあきらかではない。理由は、セレン整流器の場合、内部抵抗が高く電圧降下が大きいし、順逆の抵抗値が変化するだけなので逆方向にも盛大に電流が流れる。反面SBDは、逆方向は止めてくれるが順方向の電圧降下が極めて少ない。スピーカーによる性能評価は、同一の励磁電圧で行わないと、スピーカーの特性自体が変わってしまうために評価にならない。
そのため、SBDの場合はセレンに比べて、電圧をさらに落とす必要があり、大型のチョークを直列に挿入して電圧を落としてやった。このことは、SBDのほうが定電流特性が若干よくなるはずだし、リアクターによる高周波雑音の低減の効果もあると考えられる。回路の構成自体が変わってしまうので厳密な評価はなり立たない。二種類の電源システムの比較試聴という前提での評価と考えざるを得ない。

セレン整流システムのほうが私には、良い結果に聞こえたが、この理由に対して、整流素子のインピーダンスの高さが関係している可能性があるという仮説をたてておこう。またセレン整流器は交流により微細な機械振動が発生しているため、この振動が音色に付加されている可能性があり、これが聴感上の快さに結びついていることも完全に否定できない。セレンの場合、セレンの違いで多様に音も変わるが放熱フィンを防振すると、防振材料の違いによっても音質が変化する。またホーン同様に適当に振動させたほうが、音質的に良好に聴こえる場合がある。
SBDの(今回の評価範囲での)私の私見は、"音に暗さがある"という抽象的なものに留めおく。難題なので、今後の研究課題としておこう。
3/8/2005