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レコード・プレーヤー
 
 

アナログ・プレーヤーについてのいろいろなお話

 

ディジタル・オーディオの時代になってから久しいが、貴重なアナログ・レコードのライブラリも多く、なかにはディジタル化されていないものも相当数に上る。その意味で、アナログ・プレーヤーは必須である。翻ってデジタルCDに焼きなおされたアナログの名盤名演をオリジナルと比較試聴すると、やはりアナログの音は、デジタルに対して一線を画している感もある。

 
  問題は、アナログ用の再生機器が少なくなってきていること、そしてとても高価であることだ。ここでは、私のレコード・プレーヤーとの付き合いについて紹介しょう。  
 

私は、システムのバランスをとるときに、まず音楽のジャンルとか楽器とかアーティストをまず決めておく。そして再生するためのカートリッジを決める。そしてそのカートリッジに合わせて、トーンアームを決める。そこでマッチングがとれたところで、モーターを加えて、プレーヤーシステムにする。トランスやヘッドアンプなどが必要なときは、カートリッジさえ決めておけば、後でマッチするものを決められる。

汎用型のレコード・プレーヤーを購入し、さまざまなカートリッジを交換してああだこうだとやっても、自分のほんとうに好きな音にたどり着くのは容易ではない。オーディオでは、何かを変えると必ず音が変わる。またその音は、装置全体のコンビネーションとしての音だから、何かを変えて、それによって音が良くなっているのか、悪くなっているのかは、とても判断が難しい。何かを変えて、よくなったように聴こえたとき、ちがうレコードをかけたら、こんどは、散々な音に聴こえるということもよくある。  
  極論をいうと、熱愛するレコードを1枚選び、そのレコードを再生するために専用のシステムを組み上げるくらいの気持ちが必要だ。またそれでいいと思う。実際、次の世紀に残すべき価値のある名演というものは、それほど多くはなく、さらにその中で自分自身がとことん愛せるものは、さらにまた少くない。
  私が、このところ使用しているプレーヤーは、LINN LP-12 / ITTOK アーム付きが2台と、MICRO BL-91L (ロングアーム用)にオルトフォンのRF-297をつけたものだ。あと他にもあるが、スペースの関係で、プレーヤーは3台に制限にしている。  
LINN LP-12 を使用している理由は、コンパクトである点、ITTOKアームとのコンビネーションで調整すると、かなりな追い込みができる点である。反面カートリッジは、アームにじか付けになるので交換が難しいが、私は、使用するカートリッジを先に決めてしまうので、2種のカートリッジ用にそれぞれ完全に調整した2台のLINN があれば十分である。  
  マイクロのBL-91Lは、購入当初は散々な音であった。時間をかけてシャフトがエージングされて良くなってきた。それにしてもこのベルトはダメであった。回転中に引っ張られて、弾性により伸縮し、とても細かいワウを発生するのか、繊細な音が拾えない状況だった。私は、モーターのプーリーの切り欠き部分に糸を通し、糸ドライブに変更してとてもよくなった。但し、プーリーの切り欠きによって、径が小さくなるので、45回転モードにして、速度調整を加え33回転を実現している。さすがにEMT 927 のような、巨大なトルクとイナーシャに裏付けられた、壮大な世界はないが破綻をきたさないレベルにある。
 

LINN LP-12 は、とにかく細かい音を実に几帳面に拾ってくれる。アイドラー・ドライブのような、力強さとか、927 のような壮大さは期待できないが、とにかくソースに入っている音を几帳面に拾いあげてくれるところはありがたい。このままだとLINN 臭い音になってしまうので、カートリッジ以降で、バランスをとっている。

 
昇圧トランスは、いろいろとあるが、OFD-25には、Triad HS-1、TSD-15には、UTCの古いA-11というトランスを使用して、600または500オームポジションで音合わせの基準にしている。アンプの回路を変更したり、スピーカーを設定を変えたりで、収拾がつかなくなったときには、LINN ASAK とかSPU -AEなども、様々なトランスとのコンビネーションで登場する。DL-103もあるのだが、そしてこのカートリッジの卓越した完成度の高さには、いつ聴いても敬服するものがあるが、クラシックのプレゼンスを愉しむ方向には、向かないような気がする。いつか、ジャズ用のシステムを組むときにでも、再登場願おう。合わせるときは、D-130+075をスピーカーに選ぶのは、もちろんのことである。175 とか375では、うまくバランスさせる自信がない。  
  あとは、完全に引退したときのためのお楽しみとして、トランスクリプターとか、デッカなども倉庫に眠らしてある。ひょっとしたら二度と私の手によるシステム構築には、登場することはないかも知れない。(7/3/2004 更新)  
  今年、2004年、近所(東京大森)の菊池さん(ルミエール社)が、DST/DST-62の構造を採用した、ルミエール・ワンというカートリッジを発表された。これは、ノイマンのトランスと同社のプリアンプとのコンビネーションで試聴させて戴いたが、絶品であった。注文して製作してもらい拙宅で使用しはじめたが、まさに大星夜アンプ的な音である。情報量が桁違いに多い。昇圧トランスは、倉庫にあるものを6種類、マッチング・インピーダンスを含めて数十通りを試してみたが、3オーム級のかなり低い一次インピーダンスで受けるのがコツのようだ。しかしながら入力インピーダンスが適合しても、やはり相性が合わなければベストの性能は発揮できない。倉庫に眠っていた無名?のOEMトランスが、同社の推薦のノイマンBV-33型トランスに匹敵する(それ以上かもしれない)相性だったのには驚いた。(もうこれだから捨てられない。蒐集品がたまるばかりである。)このカートリッジとトランスの導入で、拙宅のシステムの音は別次元に昇華した。長生きはするものだと思った。このカートリッジのお陰で、イコライザー・アンプのアラが目立つようになってしまい、こちらのほうも手を入れなければならなくなってしまった。EMTやオルトフォン等を捨てるのかと問われる方もいらっしゃるかもしれないが、しっかり残ると答えておこう。(8/26/2004 更新)
 
11/23/2003