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EMT OFD-25 修理

工業製品だからカートリッジも修理できる。あきらめて捨ててはならない。

  ビンテージ品は、大切に扱いメンテナンスをして後世に伝える  
  カートリッジというものは、丁寧に正しく扱っていれば、スタイラスの寿命などは、趣味で使用するぶんには一生使っても余りある。ダンパーはゴム系を使っているため、経年変化で劣化するが、交換できるし、故障も修理できる。ビンテージとして残っているカートリッジは、何があっても廃棄してはならない。元があれば手間をかければ修復できる。十分に研究し、道具を吟味し、必要ならば治具を作り、時間をかけてじっくりと取り組めば、経験次第で修理やメンテナンスができるようにもなる。じっくり研究し、自分の手に負えそうもなければ、プロに任せればよい。修理が上がったら、感謝と尊敬の念を持ってプロの仕事を称えよう。  
  OFD25 引き出し線の断線修理  
 

EMTシェルから中身のユニットを取り出してLINN ITTOKアームに直接取り付けて使用しているが、EMT OFD25は、比較的断線のしやすい細い線材を使用してコイルを巻いているかもしれない。オルトフォンのCG-25も同様に取り出して使用したことがあるが、断線したことはなかった。EMTの場合DCRが60オームもある。巻き数を多くするためにオルトフォンと同一構造の空間に細い線材を使用して巻いてあるのではないどろうか。断線箇所は、非常に見つけにくかったのだが、コイルの途中ではなく、治具の先端が指し示す部分の引き出し線の一部だったので、0.5スケアのビニール線を解いて、0.125径の20本から1本を取り出して、作業用の冶具を作り、銀はんだを叩いて伸ばし、極細糸はんだを作り、0.125ミリ径の銅線をブリッジにしてソルダリングして治した。円形の引き出し線の配線路に引き出し線が、ご丁寧にも接着剤で接着してあるので、見た目よりは作業が難しい。引き出し線は、とても弱く切れやすいので、硬い材料の治具だと配線を切ってしまう。やわらかく細い銅線の治具で作業する。極極細のはんだコテ先もターゲットに対しては、巨大なので、たたいて伸ばして0.2ミリ径くらいに細くしたほうがいい。

 

LINN ITTOK アームへの取り付け

 
 
右側の白線は、テストのための一時的なはんだづけ。こんなきたない仕事をしてはいけない。
 
 
 
 

WE555ドライバーの修復やら、カートリッジのダンパー交換等を自分で経験すると、少々のことでは驚かなくなる。工業製品なのであるから修理はできるのである。私が自分で修理するのは、顔の見えないプロに依頼するのを嫌うためだ。作業する相手を知り、信頼できれば、あっさりと任せてしまう。要は、仕上がりの問題なのだ。プロとノンプロの差は、道具と経験の有無である。プロは飯がかかっているから、短時間でスパっと直せなければいけない。しかし仕上りや仕事の出来は、作業する人間の性格と執念、意地と根性できまる。これはプロであるかノンプロであるかには関係がない。いい仕事のできるプロを知っているということは非常に大切なことである。お困りの方には紹介する。

 
 
3/9/2005