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クリプシュ ラ・スカラ

若き日、ケルン・コンサートの美しい響きの感動

  ケルン・コンサート  

レコードやCDは、それほど多くの数を蒐集する必要はないだろうというのが私の考えであるが、これは狭い住宅で忙しなく生活する自分自身の環境からくるものに他ならない。しかしながら、名曲の名演の名録音と三拍子揃ったものは、もとより希少である。さらにその中で自分に気に入ったものとなれば、さらに少なくなる。もし病床にあり、今まさに旅立たんとする今際の際に唯一曲を聴きたいと思ったときに脳裏に浮かぶものは、恐らく片手で数える程度ではないかと思う。この曲をこの人の演奏を聴きたいがためにわざわざ外国に向かう - あるいは一枚のレコード、一枚のCDを聴きたいために専用のオーディオ装置を誂える - 等等、それでよろしいと思う。立派な装置があっても愛聴する音楽がないのは、むしろ寂しいだろう。

 

若い時分に、キース・ジャレットのケルン・コンサートのレコードを聴いたときの感動はいまだ忘れられない。スタインウェイのきらびやかな音色を響きを最大限に活かし、さらにコテコテに録音した音を良しとしない方もいらっしゃるかも知れないが、広い響きのよいリスニング・ルームにラ・スカラの乾いた音で魂に浸透するサウンドは、若き日の私を捉えてやまなかった。そもそもピアノをうまく鳴らすのは至難の業で、私が市販のスピーカーシステムで聴いた範囲で気に入ったものは、ヤマハのNS−690という巨大な発泡スチロール製の低能率のウーファーを使用したものとこのラ・スカラくらいである。

 

クリプシュ - ラ・スカラ

 

今となっては、とても古いスピーカー・システムである。結構な価格で販売当時1977年の価格では、かの高名なアルテックA7-500-8より千七百円高い値段がついていた。スタジオ・モニターや劇場のPA用途によく使用され、低音部までが巧妙な折り曲げホーンになっているオール・ホーンの3ウェイ・システムである。ウーファーは、箱の内部に組み込まれており、箱を分解しないと見ることができない。低音は、フロントのホーンロードのおかげで、軽くはないが、良く飛んでくれる。私の使用しているものは、最初期のアルニコ・マグネットを使用したモデルである。日本では非常に数が少ないので、知る人は少ないがピアノをうまく再生する数少ないスピーカーのひとつである。(実はピアノとか三味線がうまく再生できれば、他のたいがいのソースはこなせる。)

 

ウーファーは、K33P、スコーカーはK55V、トウィーターはK77であるが、K77は、エレクトロボイスのOEM品と記憶している。インピーダンスは8オームで、再生周波数は、45から17,000Hz、出力音圧レベルは旧規格(1.2m?)で104db/W、最大入力100W、クロス・オーバーは400Hz 6,000Hzである。スリーサイズは、595(W) X 876(H) X 622(D) 49.9kgと素晴らしい?プロポーションである。

改造

 

このシステムは、オリジナルの状態で永年使用している。明るく非常にバランスのよい、決して破綻をきたさない音を出してくれる。ネットワーク部分を作り直すと数段上の音を出せることは分かっているが、そのレベルまで引き上げて全体をバランスさせるのはとでも難しそうなので、改造には踏み切っていない。トウィーターとウーファー部をWE555ドライバーとミックスして使用することも多い。WE555ドライバーとコンビネーションでは、いかんせん、アルニコ・マグネットでも、ホーン・ロードの効果でかなり音が飛ぶのだが、低音が重く遅い、いわゆる重低音系なので、低音部のネットワークをなんとかしたいとは考えている。

 
3/4/2005
 
 
 
  このラ・スカラは、JAZZ SPOTで新しい人生を歩むべく、嫁入りしました。これからも多くの人にその素晴らしい音を響かせ音楽の心を伝えるでありましょう。  
 
9/14/2009