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ドイツ フィールド スピーカー
ちゃんと鳴らしている人は少ないです.ちゃんと鳴らしてはいけません.ちゃんと鳴っているのを聴いてはいけません.
危険な装置 | ||
別に感電したり怪我をしたりするわけではありませんが,オーディオには危険な装置というものがあります.人生が狂ってしまう可能性があります.賢明な方は近づかないほうがよろしいのではと思います.ウエスタンもそのひとつですが,ちゃんと鳴っているところが極めて少なく,また購入できる金額でもなく,聴くための空間が巨大になりますから劇場を買うとかしないと聴く場所がありませんからいくつもの安全装置が働きます.しかし手の届く範囲のものはこのような安全装置がありませんから,陥落したらこれは危険です.第二次大戦の戦渦を受けなかった米国には,オーディオのビンテージがたくさん残っており,劇場を壊すたびに他のガラクタと一緒に古い音響装置が産業廃棄物として出され,それが一般の人たちにビンテージとして蒐集されるにいたっています.反面ヨーロッパは,ドイツなどは素晴らしい装置があっても戦渦によって消失されたものも多いのではないかと思います.そのような遺産のなかでまだ残っているものに光をあててもよいと思います.ドイツのスピーカーとその歴史はかなり古く,その技術的なレベルも戦前は米国をしのぐものがあったと思います. |
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ドイツのスピーカーとの出会い | ||
最初の出会いは1970年代で,テレフンケン製の楕円スピーカーで,これがとんでもない表現力をもっていたのに驚かされました.このときドイツおそるべしと感じました.しばらくジーメンスのコアキシャルがフルレンジのメイン・スピーカーに鎮座していたこともあります.その後フルレンジのポジションは,ラウザー(ローサー)に変わりさらにウエスタンの755Aに変わりましたが,755Aはまた倉庫に戻り今またドイツのスピーカーを出して聴いています.メインシステムはすべてフィールド型になっていますが,フルレンジは軽くいきたいと思っていましたので永久磁石のユニットを鳴らしていました.15インチクラスのウーファーやウエスタンの594Aや555などのコンプレッション・ドライバーの励磁電源が凄まじくヘビーで難しいのですが,フルレンジのフィールド電源は,これらに比べると”ベビー”なものなので軽快に作ることができます.写真のユニットはザクセンウェルケの8インチ(20センチ)です.このユニットにはいろいろなタイプがありますが,このユニットは非常に珍しいダストキャップがついた3831型です.一般的なものはダストキャップがありません.フィールド・コイルの定格は,75mA 6Wです.これらのスピーカーは調整をしないといけません.たいがい微妙にゆがんでいたり,ボイスコイルのボビンが接触ぎりぎりの位置にあります.そのため曲の特定の部分で音色が変わったり,ひずんだりします.また,ちょっと大きな入力が入るとびりつきやひずみが発生します.扱いにくいものですが,ちゃんと調整すれば何とかなります. |
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励磁電源 |
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このユニットも他のフィールド型のスピーカーと同じで,励磁電源の出来によってまったく別の音で鳴ります.常識的な範囲の電源では本来の鳴り方をしていません.非常識と思われるくらいのことをしてやると常軌を逸脱した鳴り方をします.そこまでやっている人はほとんどいないので,世間的には病気が軽く済んでいるようです.今回製作した励磁電源は容量は165Wあり,片側4本のステレオで8本(6W x 8 =48W)を駆動できるものです.約4倍の容量です.これを今回は8本のうち左右1本づつ計2本だけをドライブしようというわけです.容量的にはさらに4倍の余裕です.平滑チョークはホット側とグランド側双方に5段で合計10個です.使用キャパシタは合計で(フィルム)わずかに66uFです.今回の実験では,電流特性を向上させていくと聴感上にそれ以上よくならない点があるのかということを調べました.つまりどこまでやれば効果があり,それ以上やっても効果が頭打ちになってしまう点がどこにあるかという限界点の研究です.594Aコンプレッション・ドライバーだとフィールドコイルの定格が40Wくらいありますので電源の重量が100キロを超えてもまだ限界点に到達しませんでしたが,このユニットの場合は,6Wですから同等の実験を1/10程度の規模で試行できるわけです.現在の電源の重量が20キロくらいですから等価的に200キロの電源で試行していることになります.結果としては,普通に使うにはまあ4段くらいで十分だろうというセンです.これ以上は危険な領域に入ってくるやもしれませんね.今回はセレンのブリッジです.このあと性能向上のクリッピング・ポイントを超えた時点で,整流を整流管とセレン,ダイオードを比較する予定です.平滑回路ブロックがもはや整流素子の相違を出しえないところまでやってみてその上で差がどの程度出るかを調べようというわけです.それが終了したら半波での再試験です.すべての実験でベストの状態でトランジスタの定電流との比較,追加もしたいと思います.トランジスタの実動作上の安定度は人間の聴感で識別できないところにあるのでしょうか?またそのための理想的な回路はどうしたらよいのでしょうか?これまでの励磁スピーカーは規模が大きすぎて限界点まで追い込めませんでしたので,大幅に希望を縮小して限界点を下げてやってみたいと思います. |
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12/7/2006
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