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RCA 1444 励磁電源 7

MI-1444 用フィールド電源の設計 RCA 83 / WE274B 整流管版

  水銀蒸気整流管版フィールド電源、RCA MI 1444シリーズ(直列)用の製作  
 

WE594Aコンプレッション・ドライバーに対して、低音部を受け持つMI-1444デュアル・ウーファーは、200Hz 12db/oct 近くとかなり低域でクロスオーバーさせているが、どうにもウーファー側の性能が、594Aとのクロス部分で追いついていないために、性能を向上させるために新型の励磁電源を作った。400V以上の高圧をチョーク・コイルだけで、半分の励磁電圧まで落としている。エネルギーの半分は、熱エネルギーとして消える。途中に抵抗はひとつも入っていない。約190mAが常時流れている回路で電流の変動はほとんどない。

 
 

しかしながら、この整流回路に内部電圧降下のきわめて低い、RCA83(250mA時で15Vの電圧降下)という水銀蒸気整流管を投入した。本来は、まったく不要のオーバースペックの整流管であるが、音質的に好結果が得られた。水銀蒸気整流管は、ヒーター電圧を印加してから、管内の水銀が十分にイオン化されるのに適した状態を見極めてから高圧を印加しなければならない。とても扱いづらい真空管である。そのため高圧側にスイッチを設けて、管内の状態を目視して確認後に高圧を印加する。およそ5分はプレヒートを行わなければいけない。チョーク・コイルだけでも大型のものを10個使用してあるので、総重量が50キロ程度になるので、3つのブロックに分けて組んである。

 

 

水銀蒸気整流管 83 WE274B

 
 

下の写真が、第1整流ブロックの水銀蒸気整流管83である。米国ジョンソン社の高信頼のタイトソケットを使用してある。茶色い4個のチョークは、回路図上のCH1からCH4である。巻き線抵抗は、実験用に設置してあるもので実際は使用していない。現在450Vの両波整流だが、左手前の黒いソケットを奥に差し替えると550Vに電圧を上げることができる。また、このソケットには、8ピンのロクタル管がそのまま挿せるので、たいがいの整流管を挿しかえて実験できる。残念ながらWE274Bは、このフィールドSP用としてはスペック的に少々電流が不足だ。VT-25PPの整流管として83を使用したときの音の印象は、音が速くて太くなる。これは電源のレギュレーションが向上したことにようるメリットと思われる。反面、音は、ざらつくというか濁るようなところがある。これは雑音が若干多いと推測する。ピアノはとてもよいが、ソプラノのアリアではざらつきが感じられる。両立させようと思えばWE274Bをうまく使いこなすしかない。ただしこのVT-25PPアンプでの整流管の比較は、594Aコンプレッション・ドライバーに一切の抵抗アッテネーションをしないで200Hzのクロスオーバーで24Aホーンを使って行った場合なので通常はそれほどの差は出ないと思う。

 
 
9/25/2005