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RCA 1444 励磁電源 2

MI-1444 用フィールド電源の設計 シリーズ版

  整流管フィールド電源、RCA MI 1444シリーズ(直列)用の製作  

 

シリーズ(直列)フィールド・エキサイタ駆動

 
 

RCA MI-1444 15インチ(38センチ)ウーファーは、115Vで210mAの電流を必要とする。当方のシステムのウーファーでは、2発を並列接続で使用している。インピーダンスが30オームなので、並列では、15オームと使いやすい値になる。しかしながら、フィールド電源には、210mAも流さなければならない。2本では420mAである。整流管1本ではとても賄いきれない。このためやむなくシリコン整流で500mAとれるチョークを多段に接続してノイズを取りかつ定電流特性を持つ回路を評価してきたが、やはりスイッチング雑音の問題を回避するためには、整流管が有利と考え今回のフィールド電源の製作となった。

 

しかしながら、420mA流すのは回路規模が大きくなりすぎるので、今回は2本のウーファーのフィールド回路を直列に接続してここに230Vで210mAを供給することにした。さすが真空管で電流をとるのはたいへんだが高圧は得意である。EL34PPのモノラル・アンプの電源トランスとシャーシを使って、アンプのB電源と同様の考え方でさくさくと作ったが、さすがにフィールド電源は、回路方式、定数、電圧、電流で、スピーカーの特性が激変するので難しい。製作段階の回路は下記のようなものである。コンデンサーは、すべてフィルムを使用してある。

 
  スピーカーの特性をフィールド電源で制御  

最終段のCH4と抵抗モジュールは、シャシーに入りきれないので、WE594A用のフィールド電源の鉄箱に入れてある。写真左下が、今回の電源部にカバーをかぶせたところ。入りきれないチョークと抵抗は、右隣のWestern Electric 594Aフィールド電源用の箱と共有してある。この箱は巨大な鉄製で、RCAの劇場用のネットワーク用のものだ。大きさが横460縦380深さ210ミリで、重量が3キロ以上はある。中に収納されているトランスの総重量は、おおよそ14キロに及ぶため、このくらいの強度が必要である。実際には、594Aドライバーのフィールド電圧とネットワークにより、ウーファーの磁気回路特性を合わせこみしなければならず、実供給電圧は、1本あたり低格115Vに対して90から80V台とかなり低い値でバランスをとっている。電圧や音の調整は、CH Xの部分にチョークを入れたり、終段の抵抗を変えたり、キャパシタで調整する。周波数特性、ダンピング、過渡特性が変わるので、とてもシビアである。この後はトランジスタの定電流回路を付加した実験をしたい。

今回製作した電源は、単体でも真空管回路の実験用B電源としても使用できるようにもなっている。、そのためにコネクタを差し替えると、400Vの電源が供給できる。いろいろと実験してみたが、オイル・コンデンサよりフィルム・コンデンサのほうが磁気回路用には優れているような感がある。
さすがにたいした発熱量で真空管アンプと併用すれば、冬期には暖房の代わりになる。
 
11/3/2004