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HOBBY HP (A)
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WE594 RCA 1444 ネットワーク 6号

15インチダブル・ウーファーでの660Hzクロスオーバー、紆余曲折の結果のネットワーク

  WE594A/1444 ダブル・ウーファー用ネットワーク4号5号---方針を大きく変更  

この6号を試すまでに,実はたいへんな紆余曲折がありました.出力トランスをファインメットの特注(4号)から,タムラに変更(5号),その後にLUXのOY36型(6号)に変更しました.出力トランスは,アンプから外してスピーカーの近くまで持ってきてあります.こうすることによりスピーカーケーブルを短くできるからです.出力トランスの変更によって音は大きく変化します.最終的にOY36型に変更したおかげか,低音の量感が増しスピード感も速くなってきました.そこで,全体のネットワークの見直しを行いました.

 

5号までの考え方は,MI-1444が594Aに全く追いつかないので,594A側のクロスオーバーを徹底的に低くとる作戦でした.そのため,ホーンのカットオフ近くの200Hzまで,クロスオーバーを下げて,MI-1444の遅さを594Aの下側の速さで補うアプローチです.しかしこうすると,MI-1444のウーファー側のクロスオーバーが低くなることにより,直列に入れるインダクターの容量がどんどん大きくなってしまいます.直前の設定では,何と12mHという大きな値です.こうすると大型の超低DCRのインダクタでも,0.1オームから0.05オーム程度のDCRをもつことになります.このDCRの大きさによって,低音のスピード感が損なわれてしまうのです.1444をネットワークなしのフルレンジで鳴らしてみたところ,とんでもなく”いい低音”がでたので,いかにインダクタのDCR成分が音を殺しているかがわかりました.つまり,低音が遅いので,クロスオーバーを低くした.ところがそのせいでさらにLが大きくなりDCRが増えて,いっそう低音を遅くしていたわけです.

 
  そこで,DCRを下げるために下の写真にあるインダクタを使用してみました.元々は電源トランスなのですが,とても優秀な作りで,ACインダクタとしてそのまま使用できるものです.2次側のインダクタンスは,5mH,DCRはディジタル・テスタで測定値が出ないほどに低いです.平角銅線を巨大なコアに巻いています.(このトランスは,横須賀の南條氏よりご提供戴きました.同氏はトランスのプロフェッショナルでいらっしゃいます.この場をお借りして御礼申し上げます.またこのトランスは電源トランスとしてもきわめて高性能なので,この実験後は,励磁電源のトランスに使用予定です.)南條氏のHPは,こちらです.実に深い造詣を感じさせます.トランスに関しては,是非来訪熟見されることをお勧めします.  
 
 
 

660Hz クロスオーバーネットワーク回路

 

アッテネーションは,トランスの二次タップだけで行い,抵抗成分を極力排しています.L1が今回導入した5mHのインダクタです.L2は,12mHの平角銅線の縦巻きトロイダル・インダクタと20mHの大型リアクトルを切り替えて使用しています.回路はきわめてシンプルになりました.

  660Hz クロスオーバーネットワークの実装  
 

下の写真が,今回の6号のネットワーク回路の実装状態です.右がOY36のリモート・トランス,上の黒い色が20mHのリアクトル,下が今回導入の5mHのインダクタ,左が12mHの特注のトロイダル・インダクタです.ウーファー側のインダクタのDCRが下がって,低音の質が向上しています.コンプレッション・ドライバー側は,クロスオーバーが上がったため低いほうをサポートする必要がなくなり音質が向上しています.”低音が出ているように”に聴こえる250から450Hzのカバーが薄くなったぶん,いわゆる”低音が出ている”感は減少しています.が,全体的な音質が向上しています.このあとシビアに調整を進めていく予定です.

 
 
 

 

 
 
9/25/2006